エアコン取付・交換・入替は費用だけで検討したらダメ!取付後の問題について

エアコン取付
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エアコン取付を検討する理由
  • 量販店やネット通販に断られた。
  • 引っ越しに伴うエアコン移設。
  • 費用を安く取り付けたい。
  • 早く取り付けたい。
  • 故障に伴う交換。

エアコンの取付を検討する理由は様々だと思います。
多くの方は、安く・早くを求めて取付業者を探していると思います。

本コラムでは、エアコン取付後のトラブルについて解説します。
安さだけで業者を選ぶと取付後にトラブルが起こって、結果、コストがかかるケースは少なくありません。

まずは、取付後に起こるトラブルについて詳しくなりましょう。

エアコン修理お問い合わせ
目次

エアコン取付後の三大トラブルとは?

エアコン取付後に発生するトラブルは大きく3つになります。

  • 水漏れ
  • 冷えない・暖まらないのガストラブル
  • エアコン本体の機械故障

施工に起因するトラブルは、水漏れと冷えないなどのガストラブルです。
3つの内、2つが施工に起因するトラブルなので正しい施工で取付することいかに重要かご理解いただけると思います。

最も多いトラブル「水漏れ」

エアコン水漏れポタポタ水滴

エアコンの水漏れは取付後に発生するトラブルとして最も多いです。
エアコン内部の汚れが原因で水漏れすることもありますが、大半の水漏れは施工で防ぐことが出来ます。

ポタポタクーラー水漏れ

排水ルートを正しく設置出来ていれば詰まりが起こりづらい設備になります。
エアコン設置が目的ではなく、設置後もトラブルが起こらない設備を意識して施工しないといけません。

エアコンから水漏れ

エアコン内部で発生する水を屋外に排水するドレンホースは経年で細くなっていきます。
カビやゴミがドレンホースの内部に付着して細くなります。
細くなることをイメージして十分な勢いで水を排水出来るように勾配をつけて設置する必要があります。

ドレンホースが細くなっても流れる勢いが落ちないように数年後をイメージして取り付けてもらうことが重要です。

エアコン水漏れ問い合わせ

冷えない・暖まらないフロンガス漏れ

エアコン試運転_温度計

冷えない原因のガス漏れも施工に起因することが多いです。
特に取付から10年以内にガスが漏れて冷えなくなる・暖まらなくなる場合は施工に問題があるケースが多いです。

エアコン室外機

技術的な話になりますが、冷媒管とエアコン本体を接続させるフレアという接続箇所からガスが漏れます。

ダメなエアコンフレア

形状が悪いフレアを作成して接続ことが漏れる原因です。

ガスが漏れることでエアコンの冷やすパワーが徐々に低下して、設置から数年経過したタイミングで冷えが弱くなります。
新しいエアコンに交換した時に、冷えるようになったと感じるのは新しいエアコンの性能が上がった訳ではなく、本来の100%のパワーが発揮させているからです。

正しい施工でガスが漏れないようにエアコンを取り付けてもらうことが重要です。

動かなくなる故障は、機械故障の可能性が高い

エアコン基盤

三大トラブルで唯一、施工が問題ではないトラブルが「動かなくなる」故障です。
エラーコードが点灯して動かなくなるトラブルの多くは機械故障です。
エラーの中には、ガス漏れや水漏れのエラーもありますので各メーカーサイトでエラーコードを確認しましょう。

エアコン故障バスタブ曲線

家電品の故障する確率を表した表でバスタブ曲線がよく用いられます。

エアコンの場合は、購入初年度と10年前後の故障確率が高く、2年目~9年目の故障率は低くなります。
最初の1年目は、各メーカーの保証が付いているので安心です。
10年前後でエアコン本体が故障した場合は、修理より交換をおすすめします。

水漏れとガス漏れの修理は、年数に限らず修理がおすすめです。
水漏れとガス漏れは部品を使わず修理が可能な為、修理費用が安く、訪問当日に修理することが可能だからです。

エアコン修理お問い合わせ

エアコン取付に必要な国家資格と行政への届け出

エアコン取付がいかに重要がわかっていただいたと思います。
では、どういう業者に取付け作業を依頼したらいいのでしょうか?

法令遵守で施工している、サービスを提供している会社・業者に依頼しましょう。

エアコン取付に必要な資格と届け出
  • 第二種電気工事士資格(国家資格)
  • 工事業届(都道府県への申請)

この2つを持っている会社、業者に依頼すると品質が担保されます。
法人ではなくても個人事業主でも工事業届を提出し認可されることが可能です。

個人事業主の場合は、電工資格を取得しているけど、工事業届を出していない人が多いので注意しましょう。

第二種電気工事士資格とは?

電気工事を行う為に必ず必要な資格です。
基本的には電気屋さんになるには必要不可欠な資格です。

受講資格もなく、工業系の高等学校の場合は在学中に資格取得することもあります。

試験は、学科と実地があり両方合格して資格取得となります。
開催は年に2回です。

工事業届とは?

電気工事を商いにする場合、都道府県に届出を出して認可されないといけません。
申請資格は、第二種電気工事士の資格取得をして3年以上の実務経験が必要です。
3年以上の実務経験を証明する為に働いていた会社に実務経験証明書を書いてもらう必要があります。

標準工事とイレギュラー工事

追加料金がかからない標準工事

エアコン標準工事
標準工事とは?

冷媒管の長さが4m以内の工事

エアコン取付を依頼する際に、標準工事だと追加料金を請求されません。
各社で設定している基本取付料金で収まります。
ただし、基本取付料金が各社異なるので注意しましょう。

標準工事の基準は、業界で統一されています。
室内機と室外機を接続する冷媒管の長さが4m以内の工事です。

エアコンの室内機を取り付けた壁の裏に室外機を設置できる工事です。
マンションの場合は標準工事率が高いです。
逆に戸建の場合は敷地が広く、室外機をどこにでも置けるのでマンションより標準工事率は下がります。

隠蔽配管での取付工事とは?

エアコン隠蔽配管
隠蔽配管とは?

エアコンの冷媒配管や電線、ドレンホースなどを壁の中や天井裏に隠して設置する工事のことです。
配管が屋外からも見えないのでスッキリして洒落な施工方法として好まれる工事方法です。
美観の問題だけで性能は一切、変わりません。

隠蔽配管は標準工事よりも施工が難しく、特に水漏れトラブルが起こりやすいデメリットがあります。
水漏れが発生した場合、壁裏で漏れて数年経過して気づく場合がりますがその時には、壁や床が腐っていてリフォーム工事になるケースが多いので注意しましょう。

戸建特有の階数違い(立ち下ろし)施工について

エアコン取付階数違い

階数違い施工とは、室内機を1階に置いて室内機は2階に取り付ける施工方法です。
もちろん、室内機1階で室内機を3階に取り付けることもあります。

階数違いの場合は、脚立やハシゴを使って施工するので技術が必要になります。
施工しづらい環境での作業になるので経験豊富な作業員に依頼したいです。

エアコン修理問い合わせ

メーカー推奨工事と電気法律のギャップ

エアコン交換を依頼する会社というと家電量販店になると思います。
家電量販店は、各メーカーが推奨する工事基準をしっかり守って工事してくれます。

逆をいうと、推奨工事仕様から外れた環境では絶対に工事してくれません。
意外と多いメーカー推奨工事ではない電気工事法に違反しない工事を紹介します。

エアコン専用コンセントは火災防止

エアコンコンセントを抜く
エアコン専用コンセントとは?

エアコンのためだけに設けられた電気コンセントのことです。一般的な家庭用コンセントとは異なり、エアコンの電力消費量に対応できる専用回路が使われており、ブレーカーから直接引かれているのが特徴です。

エアコン専用コンセント
dedicated-outlet
スクロールできます
確認方法エアコン室内機の横(壁の高い位置)にある。
目的電気の過負荷を防ぎ、火災を防止する。コンセントや電線が焼けることを防ぐ。
デメリット専用回路増設は、3万~5万程度の費用がかかります。また、物件の構造次第では露出配線することになり美観が損なわれる。

エアコン専用回路の設置について法律では定められていません。しかし、電気施工の基準となる内線規程には、定格電流が10Aを超える家電品は専用回路を設けることが推奨されています。あくまでも義務ではなく推奨になっています。

連絡線(電線)の接続施工禁止も火災防止

通信線とはどこ?

エアコンの室内機と室外機を電線で繋いでいます。100vや200vの電気を送電する役割とリモコンから指示された司令を伝達する役割で使われます。

確認方法目視では確認できない。
目的接続不良による電気抵抗増加で熱を持ち発火することを防ぐ。
デメリット引き直しの追加費用がかかる。

標準工事の時は、エアコン交換の都度、引き替えます。隠蔽配管の際は、引き替えができないので既設配線を流用します。隠蔽配管で連絡線を引き換えようとすると壁を壁に穴を開けたり剥がしたりするリフォーム工事になり費用が高くなります。

電気工事では、頻繁に電線のジョイントは行います。ジョイント禁止はエアコンメーカーが推奨する特有の工事仕様です。
正しい圧着処理をすることで火災になることは防げます。弊社では、リフォーム工事をやりたくないお客様に対してジョイント部の点検・再施工を行ってジョイント配線のまま施工している事例もあります。

冷媒管の接続はガス漏れリスクが高くなる

室内機と室外機をつなぐ冷媒管の途中ジョイントも禁止されています。
禁止は量販店だけでなくハウスメーカーなどの新築物件も禁止されています。

禁止の理由は、ガス漏れリスクが高くなるからです。冷媒管が破損してガスが漏れることはありません。漏れる場合は接続部からの漏れになります。接続部を極力減らして漏れるリスクを回避する目的です。

標準工事の場合は冷媒管も新品に交換します。交換できない工事は隠蔽配管の時のみです。
隠蔽配管で冷媒管を引き換える場合は確実にリフォーム工事になり費用が高くなります。

弊社では、リフォーム工事をしたくないお客様の場合に、溶接ジョイントなどをして対応する場合があります。

エアコン取付・交換についてのまとめ

エアコンの取付工事は、第二種電気工事士を取得した作業員に依頼しましょう。
法令遵守の観点と技術担保の観点から必ず有資格者に依頼しましょう。

エアコンは意外と取付後にもトラブルが発生します。
取付後のトラブルを防止する為にも信頼ができる業者に依頼しましょう。

特に標準工事以外の特殊な取付工事は、多少高くても電気工事会社に依頼しましょう。

大島栄二

監修者:大島栄二

株式会社セカンド/代表取締役

「第一種電気工事士」・「第二種電気工事士」の資格を取得。
有資格者の視点から正しいエアコン修理の情報を発信することに努めている。

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