シャープエアコンが動かない原因と修理方法｜施工会社が解説（ランプ点滅・エラーコード）

シャープエアコンが突然動かない、電源が入らない、運転ランプが点滅して止まってしまう。。。
その症状、内部の故障や安全装置の作動が原因かもしれません。
特にシャープエアコンは、ランプ点滅によるエラー表示が多く、自己判断で放置すると症状が悪化するケースもあります。
本記事では、シャープエアコンが動かない主な原因、ランプ点滅の見方、自分でできる対処法と修理の判断基準を、施工会社の立場からわかりやすく解説します。

シャープエアコンが動かない原因

シャープエアコンが動かない場合、原因はひとつとは限りません。
室外機・電源・安全装置・操作系など、複数の要因が重なって停止していることも多いため、まずは代表的な原因を把握することが重要です。

1位：室外機が動いていない（基板・コンプレッサー・ファン異常）

エアコンが停止している時、室外機の稼働をまず確認してください。
室外機の基板回路・圧縮機（コンプレッサー）・ファンモーターの異常が起きていると、室内機が操作表示をしていても運転しません。
特に基板回路は部品が壊れると室外機のみ停止することが多く、専門的な修理が必要になります。

2位：電源まわりのトラブル（ブレーカー・コンセント・電源基板）

エアコンに電力が届いていないと当然動きません。
ブレーカーが落ちている、コンセントまわりの接触不良、配線が劣化しているなどの原因で、正常な電源供給ができていないことがあります。
コンセントプラグが焼けていたり、室内外の電源基板側が故障している場合もあります。

3位：保護機能（安全装置）が作動して停止している

シャープエアコンには、機器を保護するための多数の安全機能が搭載されています。
異常電流・温度上昇・圧力異常など検知した場合、安全機能が作動して自動的に運転を止めることがあります。
正常動作の範囲内での停止もありますが、繰り返し止まる場合は専門点検が必要です。

• 過電流保護機能（電流異常を検知して停止）
  通常以上の電流が流れると、内部基板が異常と判断し、自動的に運転を停止する。
• 高圧・低圧保護機能（冷媒圧力の異常）
  室外機の放熱不良（汚れ・塞がり）や真夏の高温時に発生する。
• コンプレッサー保護（連続起動防止）
  短時間での連続ON／OFFを制限する制御が入っている。
• 室外機過熱保護（温度センサー制御）
  室外機内部の温度が異常に上昇すると、温度センサーが反応し運転を停止する。
• 凍結防止保護（熱交換器の霜付き防止）
  熱交換器が冷えすぎると凍結しないよう自動的に運転を制限または停止する。
• 暖房時の霜取り運転（デフロスト制御）
  室外機に霜が付着すると霜取り運転が優先され、一時的に暖房が停止する。
• センサー異常検知（温度・湿度・通信）
  温度・湿度・通信が異常値を検知すると、誤作動防止のため運転を停止する。

保護機能は強制解除ができないので20分程度の時間を待って動き出すか確認してください。
それでも動かない場合は故障の可能性が高いので修理を相談してください。

4位：リモコン・設定ミス（操作トラブル）

リモコン操作やモード設定の誤りも、エアコンが動かない原因になります。
風量モードやタイマーなどの設定が意図しない状態になっていると、運転しない・誤動作することがあります。
電池交換やリセット操作で解消する場合もあります。

5位：ドレン詰まりによる緊急停止（排水異常）

室内機内部の排水ライン（ドレンホース）が詰まると、水が排出されず安全停止機能が働いて動かないことがあります。
特に長期間クリーニングしていない場合や、ホースに雑物が詰まっている時に発生しやすいトラブルです。

ランプ点滅やエラーコードが出ていないか確認する

シャープエアコンが動かないとき、室内機のランプ点滅は重要な故障サインです。
点滅回数や組み合わせによって、停止理由や異常箇所が判断できます。

シャープエアコンのランプ点滅はエラーコードを示している

エアコン本体やリモコンのランプが点滅している場合、それは内部で異常を検知しているサインです。
点滅の色・回数・間隔によって意味が異なるため、表示パターンを確認して原因を絞り込みます。

ランプの状態・点滅パターン	主なエラー原因	症状の特徴	対応の目安
運転ランプがゆっくり一定間隔で点滅	一時的な保護機能作動	起動しない／すぐ止まる	電源リセットで復帰することあり
運転ランプが連続して高速点滅	室内外通信異常	電源は入るが運転不可	修理依頼推奨
運転ランプ＋タイマーランプ同時点滅	基板・制御系エラー	全く動かない	修理必須
タイマーランプのみ点滅	センサー異常（温度・湿度）	動いたり止まったりする	点検推奨
運転ランプ点滅＋送風のみ	凍結防止・霜取り制御	冷暖房が効かない	正常制御の場合あり
暖房中に停止しランプ点滅	霜取り運転（デフロスト）	10〜20分停止	故障ではない
冷房運転後に点滅して停止	高圧・低圧保護	しばらくして止まる	繰り返すなら修理
運転ランプ点滅＋室外機停止	室外機異常（ファン・基板）	室内は反応する	修理対象
すべてのランプが同時点滅	重度エラー（制御基板）	完全停止	即修理レベル
ランプ点滅後、無反応	電源基板・電源供給異常	電源が入らない	修理必須

※シャープエアコンのランプ点滅は、機種やシリーズによって点滅回数・組み合わせが異なります。本記事では現場で多い代表例を掲載しています。点滅が繰り返される場合や運転できない状態が続く場合は、早めに専門業者へ点検をご依頼ください。

リモコンや室内機に表示されるエラーコードの確認方法

多くのシャープエアコンは、リモコン画面や室内機パネルに文字・数字のエラーコードを表示します。
これによって、通信異常・センサー異常・基板エラーなど、停止理由を特定できる場合があります。
エラーコードは機種ごとに仕様が異なるため、取扱説明書やメーカーサイトで確認します。

エラーコード	主な異常内容	動かない症状の特徴	原因の傾向
E0	室内外通信異常	電源は入るが運転不可	配線・基板
E1	室内基板異常	起動しない	基板故障
E2	室外基板異常	室外機が動かない	基板劣化
E3	過電流保護作動	少し動いて停止	コンプレッサー負荷
E4	高圧保護	冷房で止まる	放熱不良・汚れ
E5	低圧保護	冷暖房が続かない	ガス不足・漏れ
E6	ファンモーター異常	送風しない／停止	モーター劣化
E7	圧縮機異常	完全停止	コンプレッサー不良
H3	圧縮機過負荷	運転→すぐ停止	室外機トラブル
H5	インバータ異常	起動不可	電子制御不良
H6	ファンロック	室外機が回らない	異物・劣化
H8	過電圧・電源異常	電源が入らない	電源環境
L3	ドレン異常	突然停止	排水詰まり
U0	冷媒不足検知	冷えない＋停止	ガス漏れ
U2	電源電圧異常	起動しない	電圧不安定
U4	通信エラー	動かない	室内外通信

※シャープエアコンのエラーコードは、機種・シリーズ・製造年により内容が異なる場合があります。本表は「動かない・止まる」症状で特に多い代表的なコードを掲載しています。エラーが繰り返し表示される場合は、早めに専門業者へ点検をご依頼ください。

自分で修理・確認できる方法

シャープエアコンが動かない場合でも、初期リセットや簡単な確認で復旧するケースがあります。
ただし、無理な作業は故障を悪化させるため、以下の範囲に留めましょう。

コンセントを抜き差しして電源をリセットする（最重要）

エアコンを完全にリセットすることで、内部の一時的なエラーをクリアできる場合があります。
コンセントを抜き、10分以上放置した後に再度差し込むと改善することがあります。

リモコンの電池交換と操作リセットを行う

リモコンの電池が消耗していたり、設定が乱れている場合は正常動作しないことがあります。
電池交換後、リセット操作を行い再設定してみましょう。

ブレーカーが落ちていないか確認する

分電盤のブレーカーが落ちていないか確認してください。
一度全てのブレーカーを上げ直すことで、正常に電源供給される場合があります。

フィルターの詰まりを清掃して風量を回復させる

フィルターが汚れていると風の流れが悪くなり、安全装置が働いて停止することがあります。
フィルターを取り外し、水洗いなどでしっかり掃除すると改善します。

室外機まわりのふさがり・異常を確認する

室外機の周囲に草・落ち葉・雪・ゴミなどの障害物があると、正常に動かないことがあります。
周囲をきれいにして最低限のクリアランスを確保してください。

シャープエアコン特有の「動かない」原因

シャープエアコンでは、独自の制御や安全設計により停止するケースがあります。
他メーカーとは異なるため、原因を誤解しやすい点に注意が必要です。

内部状態を優先する安全制御が強く、異常を検知すると早めに停止する

シャープエアコンは、本体や室外機を守るための安全制御が比較的厳しく設定されており、わずかな電流異常・温度変化・通信エラーでも運転を止める傾向があります。
そのため、他メーカーでは一時的に動き続ける状況でも、シャープでは「突然止まる」「動かない」と感じるケースがあります。
これは故障を未然に防ぐための制御であり、必ずしも即故障というわけではありませんが、繰り返す場合は点検が必要です。

室外機の環境影響を受けやすく、条件次第で起動しないことがある

シャープエアコンは、室外機の温度・負荷状況を細かく監視しており、外気温が極端に高い・低い、風通しが悪い、直射日光で高温になるといった条件下では、室外機保護のため起動を見送ったり、途中で停止する制御が入ることがあります。
特に夏場の高温時や、室外機の周囲が塞がっている環境では、「電源は入るのに動かない」「しばらく待たないと動かない」といった症状が起こりやすくなります。

ドレン・湿度制御を重視しており、水分トラブルで停止しやすい

シャープエアコンは、除湿・湿度制御を重視した設計のため、室内機内部の排水（ドレン）状態や湿度センサーの影響で運転を制限することがあります。
ドレンホースの詰まりや内部に水が溜まると、安全のため運転を停止し、動かない状態になることがあります。
冷暖房そのものの故障ではなくても停止するため、「突然止まった」「送風しか出ない」と感じやすい点が、シャープ特有の特徴です。

シャープエアコンは故障を防ぐための制御が細かく、「安全側に止まる」設計がされています。動かない症状が出た場合でも、無理に再起動を繰り返さず、環境やエラー表示を確認したうえで点検を検討しましょう。

季節・気温によって動かない場合（冷房・暖房の立ち上がり）

故障ではなく、運転条件や外気温による一時停止の可能性もあります。
特に季節の変わり目は「動かない」と誤解されがちです。

冷房：外気温が低すぎると室外機が動かないことがある

外気温が低い時、冷房運転が正常に行われず室外機が停止する制御が入ることがあります。
特に夕方・朝方など外気温が低い環境では冷房が起動しにくいことがあります。

暖房：霜取り運転中は10分〜20分停止する

暖房運転中に霜が付着した場合、霜取り運転（デフロスト）が入り10〜20分程度停止することがあります。
これは故障ではなく正常運転の一環です。

気温差による負荷・安全機能作動

極端に高温・低温時には機器負荷が高まり、安全装置が働いて停止することがあります。
この場合は、室外機周りの風通し改善やフィルター清掃で改善するケースもあります。

湿度条件により自動的に送風運転へ切り替わる

湿度が高い時、エアコンが湿度制御を優先することで熱交換効率を落とし、運転が弱く見える/停止しているように感じることもあります。

シャープエアコンが動かないときに絶対やってはいけないこと（危険行為）

誤った対処は、基板故障・ガス漏れ・修理費用の増大につながります。
以下の行為は絶対に避けてください。

室外機を叩く・揺する（故障悪化の原因）

室外機を叩いたり揺すったりすると、内部の基板や配線、コンプレッサーにダメージを与え、軽い不具合が重大故障に発展する恐れがあります。
また冷媒管が破損してガス漏れの原因になります。ガス漏れ修理費用が更に追加でかかるので絶対にやめてください。

無理な分解（基板ショート・感電・ガス漏れ）

専門知識なしで分解すると、基板のショートや感電事故、冷媒ガス漏れを引き起こす危険があります。修理費用が大幅に増える原因にもなります。

ドレンホースを強く引っ張る

ドレンホースを無理に引っ張ると、内部の接続部が外れたり破損し、水漏れや内部故障の原因になります。

ブレーカーを何度も入れ直す（基板破損の危険）

短時間に何度もブレーカーを入れ直すと、電装部品に過大な負荷がかかり、基板破損につながる恐れがあります。

シャープエアコンが動かない場合の修理費用の目安

修理費用は、原因・部品・年式によって大きく変わります。
事前に目安を知っておくことで、修理か買い替えかの判断がしやすくなります。

症状・原因	交換部品・想定箇所	修理費用目安（税込）
電源が入らない、動かない	室内機基板	25,000円～40,000円
	室内受光基板	20,000円～35,000円
リモコンが反応しない	リモコン	10,000円～20,000円
室外機が動かない	室外機基盤	30,000円～45,000円
室外機コンプレッサー故障	コンプレッサー	60,000円～90,000円
自動お掃除ユニットが動かない	お掃除ユニット	50,000円～60,000円
温度調整ができない	サーミスタ	15,000円～30,000円
	熱交換器交換	50,000円～90,000円

目安の修理費用としてご確認ください。より正確な修理費用を確認したい場合はお電話でご確認ください。

シャープエアコンが動かないトラブルはどこに依頼すべきか

シャープエアコンの修理は依頼先によって対応範囲・費用・スピードが変わります。
メーカー修理は純正部品対応が可能ですが訪問までの時間がかかる、街の電気工事店は迅速対応・現場対応力が高いなどのメリットがあります。

シャープ（メーカー）に修理を依頼する場合

メーカー修理は、シャープの製品仕様に基づいた正規の点検・修理を受けられる点が特徴です。
純正部品を使用するため安心感はありますが、繁忙期は訪問まで日数がかかることがあります。
また、使用年数が長い機種では部品供給が終了しており、修理不可と判断されるケースもあります。

街の修理業者・電気工事店に依頼する場合

街の修理業者や電気工事店は、対応が早く費用を抑えやすい点がメリットです。
軽度のトラブルであれば、その場で改善することもあります。
ただし、業者ごとに技術力や対応範囲に差があり、
シャープ特有のエラーや制御に対応できない場合もあるため、事前確認が重要です。

当社に修理を依頼する場合

当社はシャープエアコンの修理実績があり、動かない原因を現場で総合的に判断します。
基板・室外機・電源・排水などを一つずつ確認し、修理が適切か、買い替えも視野に入れるべきかを正直にご説明します。
無理な修理を勧めず、状況に合った対応をご提案できる点が強みです。

シャープエアコンが動かない時のFAQ（よくある質問）

シャープエアコンが突然まったく動かなくなりました。故障ですか？

必ずしも故障とは限りません。
一時的な保護機能の作動や電源エラーの場合、電源リセットで復旧することがあります。
改善しない場合は、内部部品の不具合が考えられるため点検をおすすめします。

ランプが点滅していますが、使い続けても大丈夫ですか？

ランプ点滅はエアコンが異常を検知しているサインです。
一時的な制御の場合もありますが、点滅が繰り返される場合は使用を中止し、早めに点検を依頼してください。

エラーコードが表示されて動きません。自分で直せますか？

エラーコードが表示されている場合、基板やセンサー、室外機側の異常が関係していることが多く、
ユーザー自身での修理は困難です。リセットで解消しない場合は修理依頼が必要です。

冷房・暖房の切り替え時に動かなくなるのはなぜですか？

切り替え時は内部制御が優先され、一時的に運転を停止することがあります。
特に暖房時の霜取り運転や、外気温条件による制御では正常でも止まることがあります。

室内機は反応するのに、室外機が動いていません。

室外機側の基板、ファンモーター、電源系のトラブルが考えられます。
この状態ではエアコンは正常運転できないため、修理が必要になるケースが多いです。

コンセントを抜き差ししても動きません。次は何をすればいいですか？

何度もリセットを繰り返すのは危険です。
改善しない場合は無理に操作せず、エラー表示やランプ点滅の状態を確認したうえで専門業者へ相談してください。

シャープエアコンは他メーカーより止まりやすいですか？

シャープエアコンは安全制御が細かく、異常を検知すると早めに停止する設計です。
壊れやすいわけではありませんが、「止まる」「動かない」と感じやすい傾向はあります。

動かない状態でそのまま放置しても問題ありませんか？

短時間の様子見は問題ありませんが、
エラーが出たまま長期間放置すると、故障箇所が悪化する恐れがあります。
できるだけ早めに原因を確認しましょう。

修理か買い替えか、どう判断すればいいですか？

使用年数が10年前後を超え、基板やコンプレッサー故障の場合は買い替えを検討するケースもあります。
症状と費用を比較し、無理のない判断が大切です。

どのタイミングで修理を依頼すべきですか？

電源リセットでも改善しない、ランプ点滅やエラーコードが消えない場合は、
早めに修理点検を依頼することをおすすめします。

まとめ｜シャープエアコンが動かない・ランプ点滅したら早めの点検・修理相談を

シャープエアコンが突然動かない、運転中に止まる、ランプ点滅が続いている場合は、本体が異常を検知して保護停止している可能性が高い状態です。一時的に動いても、内部トラブルが進行しているケースも多く、放置すると修理費用が高額になることがあります。

自己判断でリセットを繰り返したり、無理に使い続けることはおすすめできません。症状が軽いうちに原因を特定し、適切な対応を行うことが、結果的に早く・安く直す近道になります。

当社では、シャープエアコンの「動かない」「止まる」「ランプ点滅」トラブルについて、施工会社の立場から症状を丁寧に確認し、修理が必要かどうかを含めてご案内しています。
今すぐ修理が必要なのか、様子を見てよいのか迷っている段階でも問題ありません。

シャープエアコンの不調でお困りの際は、悪化する前に一度お電話でご相談ください。
症状を伺ったうえで、最適な対応方法をご提案いたします。