エアコントラブルを症状別に詳しく解説します。
「水漏れ、冷えない(暖まらない)、動かない」の症状別に説明します。
現在のトラブル内容に一致した箇所だけ読んでも大丈夫です。
- 故障の原因を理解する
- 原因箇所の修理方法を理解する
- 自分で出来る修理方法を理解する
- 修理の費用相場を理解する
- メーカー修理と業者修理のメリットを理解する
自分で修理が出来なかった場合は、メーカーや修理業者に依頼することになります。
修理箇所に応じて依頼先が異なるので最後まで読んでください。
また、修理依頼をする時の目安になる料金相場も解説しています。
エアコン修理を3つに分類する

- ポタポタ落ちる
- 右側から漏れる
- 左側から漏れる
- 飛び散る

- 冷えない
- 冷えが弱い
- 暖まらない
- 暖まりが弱い
- 効かない
- 効きが弱い

- 室外機が動かない
- 室内機が動かない
- ランプ点滅
故障箇所によって修理内容や修理料金が全く異なります。
まずは、今起こっている故障の記事を読んでください。



水漏れの修理方法と修理料金
水漏れした状態のままで使っていいの?



エアコンから直接床に水が落ちていて、写真のような養生作業が出来る場合はそのまま使用してもエアコン本体が故障することはありません。
しかし、短時間の話しで水漏れが発生した場合は早急に修理してください。

写真のようにクロスや壁が濡れている場合はエアコンを止めてください。
クロスが剥がれる、壁が腐るなどして高額が修理費用がかかる場合に発展する可能性があります。
濡れたクロスと壁をドライヤーで乾かして、早急に修理依頼をしましょう。
ホコリが詰まって水漏れする


ホコリがエアコン内部に溜まるのはなぜか?
エアコンは、冷房運転時は常に水が発生して屋外へ流れています。
空気中に含んだホコリがエアコン内部に付着しても流れている水と一緒に屋外に流されるのでエアコン内部に溜まることはありません。
しかし、冷房を使わない期間は水が流れていないので室内機内部にホコリが溜まります。
特に暖房運転時は、室内機の空気を室内機内部に取り込むので特に溜まりやすいです。
溜まったホコリが一気に流れて詰まる
冷房運転を使い始めたタイミングで、溜まったホコリを一気に流して詰まることが多いです。
時期的には6月頃のトラブル発生が多くなります。
ドレンスライムが詰まって水漏れする



ドレンスライムとは?
水分が多い環境に微生物が増殖してヌメヌメとしたスライムが発生します。
エアコンだけでなく、排水溝など水回りでよく発生するバクテリアです。
ドレンスライムは、エアコンの内部にあるドレンパンで発生します。
このスライム状の物体とホコリが合体すると巨大化して排水ルートで詰まる原因になります。
常時、冷房を使用して水が流れている状態では、ドレンスライムは発生しません。
冷房を使ったり使わなかったりする期間に発生します。
原因①:ドレンホースつまり

ドレンホースとは?
エアコンの室内機で発生した結露水を屋外に流す為のホース。
塩化ビニール製で柔軟性がありエアコンの設置環境を選ばす使用出来るのがメリットです。

ドレンホースの内経は14mmです。
ドレンホースは室内機から室外機付近の屋外まで曲がりながら設置されています。
大きなホコリやドレンスライムがドレンホースの中を通って詰まることがイメージ出来ると思います。

ドレンホースは蛇腹になっています。
フラットな形状より詰まりやすい形状になっています。
- 凹凸にホコリやドレンスライムが引っかかり詰まる
- 凸凹に汚れが溜まり内経が細くなる
詰まるだけではなく、長年使用すると内側に汚れが溜まり内経が細くなります。
細くなると排水出来る水の量が少なくなり、完全に詰まっていなくても漏れる場合もあります。
7月~8月の暑い日に結露水が大量に発生した時に水漏れする原因がこの問題になります。
エアコン水漏れは、大量のホコリ、ドレンスライム、内経が細くなるなどの様々な原因が合わさって発生します。
原因②:ドレンパンつまり


ドレンパンとは?
室内機内部の熱交換器で発生した結露水を受け止める皿のような役割する部品です。
ドレンパンとドレンホースが接続されており、屋外へ水が流れる仕組みになっています。
- ドレンパンとドレンホースの接続部で詰まる
- ドレンパン上で詰まる
ドレンパンとドレンホースの接続部で詰まる
ドレンホースの内経が14mmなので、その細くなった箇所で詰まることが最も多い原因です。
ドレンパンで発生したドレンスライムがホコリと合体してこの接続部で詰まります。
ドレンパン上で詰まる
ドレンスライムが巨大すぎると接続部までも流れず、ドレンパン上で水の流れを堰き止めることがあります。
原因③:室内機の逆勾配

エアコンは、右側か左側の端にドレンホースが接続されています。
右側で接続されている場合が多いですが、エアコンの室内機が左側に傾いてドレンホース側に水が流れないというケースがあります。

エアコンの室内機を壁に固定する時に背板と呼ばれるプレートを壁に固定します。
その背板の取付不良でビスが緩んで室内機が逆方向へ傾くことがあります。
これは完全に施工ミスです。

背板の固定が甘いと写真のようにエアコンごと外れることもあります。
外れた場合は早急に修理依頼をしてください。
原因④:ドレンホース外れ

ドレンパンとドレンホースの接続が外れて水漏れする場合があります。
接続部はエアコンカバーで隠れていて目視で確認することは出来ません。
この問題は、施工ミスです。
原因⑤:冷媒管の結露


エアコンは室内機と室外機を冷媒管という銅管で繋いています。
その冷媒管内を低温に冷えたフロンガスが循環しています。
冷媒管は通常、保温材が巻かれているので結露しませんが、接続部のみ銅が露出しています。
銅が露出した接続部に保温材を取付作業員が巻きますが、巻き方が下手で隙間があると空気に触れて結露水が発生してエアコン水漏れが起こってしまいます。
エアコン水漏れを自分で修理方法
ドレンホースつまりは自分で修理することも可能です。
ドレンパンとドレンホースの接続部で詰まっている場合も自分で解決させることが出来るでしょう。
簡易清掃も含め、3つの解決方法を説明します。
サクションポンプ


サクションポンプとは?
簡易ポンプで空気圧でつまり除去する工具です。
エアコン水漏れ専用の工具ではなく、排水詰まりなどの水回りトラブルでも使用されます。
ホームセンターで2,000円程度で購入可能です。
- サクションポンプとドレンホースの出口を接続する
- サクションポンプのレバーを5回~10回程度押し引きする
- ドレンホースとの接続を外す
サクションポンプのレバーを押し引きして軽くなれば、詰まりが除去されています。
最初から軽い場合は、ドレンホースでは詰まっていません。(空振り状態)
ドレンホースとの接続を外す際は、素早くしないと詰まった汚れが一気に流れ出てきますので注意してください。
掃除機

家庭にある掃除でOK
吸い込み本体(モーター)と吸込口の間がホースになっていて距離があるものが望ましいです。
つまり(水)を吸い込んだ場合でもモーター(電子部品)までの距離があれば濡れて掃除機本体が壊れることはありません。
コードレス掃除機の方が作業が楽です。
- 掃除機の電源を入れる
- 掃除機の吸い込み口とドレンホースの出口を合わせる
- ドレンホースとの接続・外しをこまめに繰り返す
接続と外しをこまめに繰り返すのは、詰まりが解消されると一気に水が流れ出てくるからです。
詰まっていた水を掃除機で吸い込まないようにこまめに付けて外してを繰り返してください。
ドレンホースの経と掃除機の経が合わないので隙間は手で塞ぎましょう。
ドレンホース出口の清掃


エアコン水漏れの修理費用の相場
水漏れ原因 | 作業内容 | 修理費用の相場 |
---|---|---|
ドレンホース | サクションポンプ | 8,000円~15,000円 |
ドレンパン | サクションポンプ | 8,000円~15,000円 |
ドレンパン | 室内機分解 | 18,000円~25,000円 |
ドレンパン | 室内機分解+着脱 | 25,000円~35,000円 |
室内機の逆勾配 | 再取付(着脱無し) | 15,000円~25,000円 |
室内機の逆勾配 | 再取付(着脱有り) | 25,000円~35,000円 |
ドレンホース外れ | 再取付(着脱無し) | 15,000円~25,000円 |
ドレンホース外れ | 再取付(着脱有り) | 25,000円~35,000円 |
冷媒管結露 | 結露防止テープ再施工 | 15,000円~25,000円 |

冷えない・暖まらないの修理方法と修理料金
冷えない・暖まらないというトラブルの主な原因は、冷媒ガスが漏れて無くなっていることがよくあります。
冷媒ガスは使っても無くなることはなく、漏れています。
また、エアコンは正常で冷えていても、風量が弱いと室内を冷やすことが出来ません。
この2点について詳しく解説します。
原因①:冷媒ガス不足
エアコンは、冷媒ガス(フロンガス)で冷やしたり暖めたりしています。
冷媒ガスは、被可燃性なので漏れていて発火したり爆発したりはしませんので安心してください。
ガス漏れを目視で確認する方法



エアコンの室外機と冷媒管を接続する箇所が白くなっていることがあります。
これは霜で、低温ガスが漏れて白くなっています。
白くなっている霜を確認したら原因はガス漏れ確定です。


室外機と冷媒管の接続箇所を確認するには、カバーをドライバーで外してください。
簡単に外せますのでご自身で対応してください。
接続箇所のフレアから漏れる原因



室外機と室内機を冷媒管で接続します。
冷媒管の中を冷媒ガスが循環して冷やしたり、暖めたりします。
先端をフレアというラッパ型に加工して室外機や室内機と接続します。
フレアを接続するように、室外機に突起のような箇所があります。
フレアで覆いかぶせるように接続して上からナットで締めて接続します。
フレアから漏れる原因



・フレアの形状が汚い
・フレアのサイズが適正ではない(小さいもしくは大きい)
・フレアの内部のゴミが付着している
・施工後に室外機を動かして変形する
基本的には施工時の問題になりますが、自分で室外機を「動かした」「持ち上げた」なので経験はありませんか?
直近で室外機を触った方が、フレアが破損して冷媒ガスが漏れているかもしれません。
フレア修理は施工業者しか出来ません。



フレアツールという工具を使ってフレアを作成します。
綺麗に平らになったフレアを作成すると漏れることはありません。
漏れなくなったか真空引きで確認



真空ポンプという工具で、エアコン内部の空気を抜きます。
ゲージが真空状態の-0.1Mpaになるまで空気を抜きます。
-0.1Mpaになたら20分程度放置して、-0.1Mpaがキープ出来るかチェックします。



-0.1Mpaをキープ・・・ガスが漏れない証拠
-0.1Mpからゲージが動く・・・ガス漏れする
冷媒ガスをガス補充(ガスチャージ)



フレア修理をして漏れないことを確認するとガス補充します。
エアコンごとにガスの種類と量が決められているので正確に冷媒ガスを補充していきます。
ガス補充(ガスチャージ)の修理費用の相場
作業内容 | 単位(数量) | 修理費用の相場 |
---|---|---|
フレア加工 | 1箇所 | 2,000円~3,000円 |
真空引き | 1回 | 8,000円~15,000円 |
冷媒ガス | 100g | 2,000円~3,000円 |
ガス補充 | 1回 | 8,000円~15,000円 |

原因②:風力低下
フィルターにホコリが溜まっている


フィルターにホコリが溜まると、空気の吸込口が詰まってエアコンから出る風の強さが弱くなります。
下記のような悪循環が起こります。
吸い込みが弱い → 風量が弱くなる → 部屋の空気循環が弱くなる
室内機のカバーを開けてフィリターを確認してください。
汚れている場合は取外して洗いましょう。
室内機内部にホコリが溜まっている


エアコン内部にホコリが溜まっても風力低下になります。
写真は、熱交換器ですが、風を作り出すシロッコファンが汚れることも風量が低下する原因になります。
室外機まわりに物がある
上部・・・20cm以上
左右・・・10cm以上
背面・・・5cm以上
前面・・・20cm以上
【夏に起こるトラブル】
・台風後にビニールなどのゴミが室外機に付着する。
・草が室外機に入り込んでいる。
【冬に起こるトラブル】
・雪が積もって隙間が無くなっている。
ファンモーターの回転不足
ファンモーターが経年劣化で故障して風量が弱まることがあります。
風量を最も強い設定にしても風量が弱い場合は、モーター故障の可能性もあります。
自分で出来る修理方法

エアコンが冷えない時は専門的でなかなか自分で改善することは難しいです。
そんな中、フィルター清掃をオススメします。
フィルターは水で洗ってください。
柔らかいブラシで擦っても大丈夫です。
暖まらない時と冷えない時の原因は基本的に同じです。
しかし、暖まらないトラブルからの視点で書いた記事もありますので読んでみてください。

動かないの修理方法と修理料金
エラーコードが出ていませんか?
エラーコードとは
・ランプが点滅している
・リモコンのコードが表示されている
家庭用エアコンの場合は、エアコンの室内機のランプが点滅していることが多いです。
ハイスペックエアコンの場合は、リモコンに「E0」のようにコードが表示されます。
ランプ色、点滅回数がエラーコードとして、ざっくりとした原因を教えてくれます。
まずは、使用中のエアコンのメーカーホームページでエラーコードを確認しましょう。
エラーコードについて詳しく書いた記事があるので読んでみてください。

原因①:基盤故障

エアコンには、室内機に1つ・室外機に1つの計2つの基盤があります。
あくまで目安ですが、それぞれの基盤が故障するとどういう症状が出るかご紹介します。
室内機が全く動かなくなります。もちろん室外機も動きません。
室内機は動いているが室外機が動きません。
室内機は、ファンのみが動いて扇風機状態です。
簡易確認の方法なので精度が100%ではありません。
概ね、70%くらいの精度で考えてください。
ちなみに、室外機と室内機の両方が動いていて冷たくならない場合は、ガス漏れです。
原因②:受光部故障
受光部とは?
リモコンから飛ぶ信号を受け取る部品です。
受光部が受けた指示を基盤が制御します。
リモコンからの指示を受け付けなくなります。
止まっている時に故障すると、全く動かなくなります。
動いている時に故障すると、動きっぱなしで止めれなくなります。
原因③:リモコン故障
リモコンから指示が出来なくなります。
受光部故障と同じように、止まっている状態だと動かせなくなります。
動いている状態の時は、止めれなくなります。
温度設定やモード切り替えも出来なくなります。
リモコン故障の確認方法
携帯・スマホのカメラでリモコンの発信部を見てください。
その時にリモコンのボタンを押して赤い光が見えたらリモコンは正常です。
ボタンを教えても赤く光らない場合はリモコンが故障して信号が飛んでいない証拠です。
原因④:電気系統故障


エアコンの室内機と室外機は、電線で繋がれています。
電線が途中で断線すると室内機からの指示が室外機に伝達されず動かなくなります。
電線が途中で断線する可能性は低く、各機械との接続箇所で断線することが多いです。

原因⑤:エアコンコンセント故障

稀にコンセントが故障してエアコンが動かない場合があります。
コンセントを抜いてドライヤーなどでコンセントに問題が無いか確認しましょう。
100Vエアコンの場合は自分で確認出来ますが、200Vエアコンの場合は、家電品をさすと家電品本体が故障します。
自分で確認するのは、100Vエアコンの時のみにしてください。
自分で出来る修理方法
エアコン専用コンセントを抜き差し


2回~3回抜き差ししてからリモコンで操作してみてください。
意外と動くことがあります。
エアコンも機械なのでリセット操作になります。
リモコン故障の場合は、「汎用リモコン」

エアコンの汎用リモコンがホームセンターに売っています。
国内メーカーのほとんどを対応しているので間違いなく故障したリモコンの替わりになります。
念の為に、使用中のエアコンの型番を記録してホームセンターに行きましょう。
ホームセンター販売価格・・・3,000円~5,000円
動かない故障の修理費用の相場
故障原因 | 作業内容 | 修理費用の相場 |
---|---|---|
室内機基盤故障 | 基盤交換 | 15,000円~25,000円 |
室外機基盤故障 | 基盤交換 | 15,000円~25,000円 |
受光部故障 | 受光部交換 | 15,000円~25,000円 |
リモコン故障 | 汎用リモコン | 3,000円~5,000円 |
電気系統故障 | 電線ケーブル手直し | 15,000円~25,000円 |
コンセント故障 | コンセント交換 | 8,000円~15,000円 |
エアコン交換の注意事項
エアコンの交換は、第二種電気工事士が施工しないと法律違反になります。
法律違反をした場合は、施工業者が罰せられます。
依頼したお客様は、今のところ罰せられません。

修理依頼をメーカーと修理業者で比較
水漏れ | 冷えない 暖まらない | 動かない (故障箇所不明) | 部品交換 (故障箇所特定) | |
---|---|---|---|---|
メーカー | △ | △ | △ | ◯ |
修理業者 | ◯ | ◯ | ◯ | × |
量販店 | × | × | × | × |
メリット・デメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
メーカー | ・【部品交換】故障部品が特定済みの場合は初訪で交換部品を持って来てくれる。 ・【部品交換】上記ことから修理完了までの時間が早く、訪問1回で修理費用が安い。 | ・訪問までの時間がかかる。7月~8月は2週間~4週間程度かかる場合がある。 ・特に7月~8月は、修理受付に電話が繋がりにくい。 |
修理業者 | ・依頼から訪問までの時間が短い。当日訪問や夜間対応なども対応している業者がいる。 | ・【部品交換】交換部品を持っての訪問は出来ないので部品交換の場合は2回訪問必須で遅くなる。 |
量販店 | ー | ・修理を行っておらず、購入時に延長保証に加入した方のみを対応している。 ・延長保証経由で依頼すると訪問までに時間がかかる場合が多い。 |
トラブル別に解説
基本的には部品交換を不要とする修理になるので、1回の訪問で修理が可能です。
訪問の早さで依頼業者を選んでください。
エアコンが故障して動かないが原因がわからない時の判断が難しいです。
部品故障の場合は、メーカー修理が良いですが訪問までに時間がかかる可能性があります。
まずは、メーカー修理に相談して時間がかかる場合は、修理業者に相談する流れが良いと思います。
特定の部品が故障していることがわかっている場合はメーカー修理に依頼しましょう。
部品修理の見積書を持っていてアイミツを希望の場合などメーカーに相談しましょう。
部品交換はメーカー修理が安いです。

エアコン修理の「まとめ」
【最初に確認すること】
エアコントラブルの原因が「部品故障」かを正確に判断する。
コメント