クーラーからのポタポタと水が垂れてきて困っている人の為に、原因と修理方法をご紹介します。
簡易的な水漏れの場合は、自分で修理することも可能です。
クーラーを少し止めて、この記事に書いてあることを試してみてください。
水漏れている状態で使っていいの?

クーラーから水が垂れている状態でも機械から直接漏れている場合は使っても大丈夫です。

機械が壊れて動かなくなることは無いのでしっかり養生をしてください。
壁が少しでも濡れている場合は、クーラーを止めてください。
壁のクロスが剥がれたり、壁が腐ってリフォームしないといけなくなります。
大惨事になる前に止めて水漏れを修理をするようにしてください。
クーラーとエアコンの違い
クーラーは、冷房専用の機械のことです。
英語の「cooler」が語源になっています。
それに対してエアコンは、冷暖房が出来る機械のことです。
「air conditioner」の略でエアコンと呼ばれています。
ここでエアコンを使用している人も水漏れの原因や機械の仕組みは一緒なのでそのまま読んで問題を解決してください。
80%のトラブルが排水つまり
クーラーはとても簡易的に水を屋外へ排水する仕組みになっています。
室内機の位置が最も高く、そこから水をドレンホースという管で低い地面へ流し仕組みになっています。
その排水ルートの途中でゴミがつまって流れなくなり、オーバーフローして室内に漏れています。
ホコリが詰まって水が漏れる

排水ルートでつまりる原因は「ホコリ」が最も多いです。
クーラーを使わない期間と暖房運転の期間にクーラー内部にホコリが溜まります。


フィルターだけでなく、内部の熱交換器やドレンパンにもホコリは溜まってしまいます。
室内機は高い位置に設置されますが空気で舞うホコリは、室内のあらゆる場所に堆積してしまいます。
ドレンスライムが発生してつまる


ドレンスライムとは、粘着質の物体です。
水が滞留すると細菌が増殖してドレンスライムが発生します。
キッチンなどの水回りでネバネバした物体が発生した経験はありませんか?
同じ物体をクーラー業界では「ドレンスライム」と呼んでいます。
ドレンホースつまり(自分で解決)
クーラーの室内機で発生した水をドレンホース内部を通して屋外に排水します。
この排水ルートであるドレンホースで詰まって水が逆流して漏れるトラブルが最も多い原因です。
みなさんに馴染もの無いドレンホースを詳しく説明します。
ドレンホースとは?

ドレンホースは、クーラー室内機内部で発生した結露水を鴎外へ排水する為のホースです。
素材は、塩化ビニル樹脂で出来ており、排水ルートを自在に出来るように蛇腹形状になっています。
ドレンホースがつまる原因
ドレンホース内部でつまるトラブルは2つの要因で起こります。
1つの要因で起こるというより、2つの要因が重なって起きることが多いです。
ドレンホースが汚れの付着で内径が細くなる

ドレンホースは、排水ルートを自在に出来るように蛇腹形状になっていると説明しました。
この蛇腹形状のデメリットで、凸凹の内側にホコリなどのゴミが付着して排水する為の内径を細くしてしまいます。
もちろんクーラー設置から1、2年では細くなりませんが、5年~10年使うとドレンホース内部に汚れがぎっしり詰まることがあります。
内経が細くなると排水出来る水の量が少なくなり、室内機で大量に結露水が発生した場合に全ての水を排水出来ず漏れるトラブルが起こります。
大きなホコリ、ドレンスライムが詰まる

ドレンホースの内経は、14mmが一般的なものです。
水を流すだけなら十分な太さですが大量のホコリが流れると詰まってしまいます。
冷房を使っていなかった期間にクーラー内部に蓄積されたホコリが、冷房運転の使い始めに一気に流れます。
大量のホコリと水が合わさって細いドレンホース内部で詰まって水漏れする原因になります。

ホコリとドレンスライムが合わさると更に大きな個体になる詰まる原因になります。
これは、使い始めではなく、7月8月でも起こるトラブルになります。
自分で出来る解消法【サクションポンプ】

ドレンホース内部で詰まったゴミを外部で吸い出すことが出来れば解決します。
屋外側のホースの端からゴミを吸い取る作業が出来れば自分でも解決させることが出来ます。
屋内側に押し出すと室内側が水浸しになるので屋外側に引き出すことが重要です。
サクションポンプ
ホームセンターやネットショップで購入可能です。
価格は、2,000円~3,000円程度です。
サクションポンプは、クーラー修理業者も使う工具です。
クーラー修理だけではなく、キッチンなどの排水詰まりでも使われます。

- 屋外のドレンホース末端にサクションポンプを差し込んで取り付ける。
- レバーを引く、押すを10回程度繰り返す。
- サクションポンプを外しと詰まったゴミと水が流れてきます。
【ポイント】
レバーを押し引きする時に軽くなると詰まりを除去したサインになります。
最初から軽い場合は、ドレンホース内部では詰まっていないことになります。
自分で出来る解消法【掃除機】
サクションポンプと同様に詰まったゴミを吸い出す方法になります。
サクションを購入出来ない場合は、掃除機で試してみてください。
掃除機
吸い込み口から掃除機本体のホースの距離が長いものがいいです。
ドレンホースと本体を直結すると水を吸い込むリスクがあり掃除機本体を故障する可能性があります。
- 掃除機をオンにしてドレンホースの末端に接続します。
- 掃除機の吸い込み口とドレンホースの直径サイズが異なるので隙間は手で埋めましょう。
- 掃除機で吸ったらすぐにドレンホースから離してください。(水を吸い込むリスク回避)
- ③の作業を数回繰り返す
- つまりが除去されるとゴミと水が流れ出てきます。
【ポイント】
水を掃除機本体で吸い込まないように、吸って、切り離して、吸ってを短時間で繰り返す。
ドレンパンつまり(一部自分で解決)
ドレンパンはドレンホースと繋がっている箇所でドレンホースの次につまりトラブルが発生する箇所です。
ドレンスライムが発生する場所がドレンパンになります。
ドレンパンとは?


クーラー内部の熱交換器で発生した結露水を受け止める部品です。
滴れ落ちる結露水はドレンパンの上に落ちて、ドレンホースを通って屋外が排水されます。
ドレンパンがつまる原因
ドレンパンが原因で水漏れする原因も2つあります。
2つともドレンスライムとホコリが原因で引き起こされるトラブルです。
ドレンパンとドレンホースの接続箇所がつまる


ドレンパンがドレンホースと接続されている箇所は、ドレンホースの内経14mmになります。
その14mmの箇所でドレンスライムやホコリが詰まって水漏れします。
巨大なドレンスライムがせき止める

ドレンパンは傾斜が緩やかで水が溜まりやすい環境です。
水が滞留したタイミングでドレンスイムが発生します。
そこにホコリが加わるとスライムが巨大化してドレンパン上を流れずに水の流れをせき止めることがあります。
せき止めた箇所で水が流れずオーバーフローして水が漏れるトラブルに発展します。
常時、クーラーを使っている時期は、水が流れ続けるのでドレンスライムは発生しづらいですが、つけたり消したりする時期にスライムが発生しやすいです。
濡れた状態で放置する時間がながいとドレンスライムが巨大化して水漏れの原因になります。
自分で出来る解消法【サクションポンプ】

ドレンパンとドレンホースの接続部で詰まっている場合は、サクションポンプで解決できます。
作業要領は、ドレンホースのつまりと同様です。
自分で出来る解消法【エアダスター】
ドレンパンにドレンスライムが発生して水漏れしている場合は、パソコン修理などで使われるエアダスターで解決出来るかもしれません。
正直、解決の確率は低いです。

クーラーのパネルを開けてフィルターを取ります。
写真の水を流している隙間にドレンホースが付いている方向と逆方向からドレンホース側へエアーをかけます。
スプレーの勢いで強制的にドレンスライムを流す方法になります。
改善しない場合は、修理業者へ依頼してください。
つまり以外で水漏れする原因
つまり以外でも水漏れする原因を5つ紹介します。
3つは施工不良、3つは構造上の問題になります。
ドレンホース接続不良

ドレンホースとドレンパンを接続している箇所が外れて水漏れする場合があります。
取付時に接着、取付が緩いと数年後に外れることがあります。
室内機の勾配不良

室内機を取り付ける際に背板を壁に取り付けて、背板に室内機を上から掛けます。
その背板の取付が緩いとエアコンが予期せぬ方向へ傾いて水漏れすることがあります。
専門的にはなりますが、ビス固定する際にアンカーを使って施工すると緩むことはないです。
また、緩むだけではなく室内機が外れて落ちる事故もあるので固定は重要です。
冷媒管の結露


左出しと呼ばれるクーラー取付方法をすると冷媒管が室内機の下部を通ります。
冷媒管の接続箇所は銅で保温材が巻かれていません。
その銅に直接、空気が触れて結露水が発生して水漏れします。
接続後に保温材を巻いて空気に触れないようにして結露防止をしますが、保温材の巻き方がダメだと結露水が発生して水が漏れてきます。
空気の逆流
築20年以内の建物に住んでいる場合は、建物の構造上の問題で水漏れする場合があります。
住宅としては優秀で気密性が高い建物で起こるトラブルです。
気密性が高い場合、空気が漏れないので換気扇を付けると空気が吐き出すだけで入ってきません。
そのままでは真空状態になるので、クーラーのドレンホースから外気を取り込んでしまうことがあります。
ドレンホースから空気が入ってくると水の排水ルートが無くなり水漏れすることになります。
- 換気扇を止めると水漏れが改善する
- 窓を開けると水漏れが改善する
この2つで改善する場合は気密性の問題です。

解決策は、「エアカットバルブ」をドレンホースの屋外側に取り付けることです。
この商品は、自分でも取付ることが出来るのでチャレンジしてみてください。
冷媒管、スリムダクトの劣化


冷媒管をスリムダクトというプラスチックのカバーで保護していますが、そのカバーが劣化で破損してそこから雨水が入ってきています。
プラなので紫外線で劣化します。15年~20年を目安にボロボロになるイメージです。
クーラーのどこから漏れているかで原因を推測

右側から漏れる場合の原因
- ドレンホースつまり
- ドレンホース外れ
室内機の取り付け方法が「右出し」という右側から配管関係を屋外に出す場合は、右側から水が漏れることが多いです。
左側から漏れる場合の原因
室内機の逆勾配
室内機が外れそうになっている場合は、排水方向の逆側から漏れることが多いので左側としました。
また、取付方法では特殊になりますが左出し取付の場合は、ドレンホースつまりとドレンホース外れが左側から漏れます。
真ん中から漏れる場合の原因
- ドレンパンつまり
- 冷媒管の結露
ドレンパンの真ん中でドレンスライムがせき止めている場合は真ん中から漏れます。
ドレンスライムの発生場所で漏れる箇所が異なるので要確認になります。
クーラーのどこから漏れているかについて詳しく説明した記事ご紹介します。
一緒に読んでみてください。

自分で予防【フィルター清掃】


クーラーの室内機内部にホコリを溜めないことです。
冷房を使い始める前にフィルターの清掃をしましょう。
また、暖房運転時にもこまめに清掃するようにしましょう。
自分で予防【流水テスト】


年に1,2回、自分で流水テストをすることも効果的だと思います。
フィルターをとって熱交換器やドレンパンに直接水を掛けます。
定期的に水を流すことで室内機に堆積したホコリを少しずつ流すことが出来ます。
クーラー水漏れの「まとめ」
クーラーの水漏れは業者に依頼すると当日に改善してくれます。
真夏の暑い日に困っている場合は、即日修理希望でご相談ください。
気になる修理費用についてまとめて記事があるので是非確認してください。
修理の概算費用を知ることが出来るので安心して修理依頼が出来ると思います。

また、技術的なことを深堀りした記事もあるので一緒に読んでください。

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