エアコンの修理依頼が多いランキング順に「原因、修理方法、修理費用」を解説します。
まずは、故障原因と修理方法を理解して自分で修理、改善出来ないか試してみてください。
難しい場合は、修理業者へ依頼することになりますが、目安の修理費用をご紹介します。
この記事を読むと、エアコン修理の大半の方法を記載しているので多くのトラブル解決に役立つ情報になっています。
記載がないトラブルはイレギュラーなので業者もしくはメーカーにお問い合わせください。
それでは、ランキング方式でご紹介しますので最後まで読んでください。
データで見るトラブル発生件数
今回参考にしてデータは、Ahrefs(エイチレフス)という分析ツールのデータです。
インターネットでエアコントラブルに関するワードがどのくらい検索されたかを調べました。
自分が抱えているトラブルが一般的に多いのか少ないのか確認してください。
検索ワード | 1年間の検索数 |
---|---|
水漏れ | 773,400 |
冷えない | 610,800 |
ランプ点滅 | 420,600 |
動かない | 116,400 |
異音 | 43,200 |
暖まらない | 16,800 |
- 多くの人がエアコン故障で困っている
- 水漏れと冷えないは夏特有のトラブルで夏に故障が集中している
- 冬のトラブルは少ない
【夏の修理依頼について】
これだけ夏にトラブルが集中すると依頼から修理までに時間がかかります。
メーカーに修理依頼をしようと思っても電話が繋がらなくなることも多発します。
本当に暑い7月と8月は、修理業者も依頼で混雑しています。
まずは、軽度故障を自分で修理出来るようになることで、快適な生活を守りましょう。
意外と素人にも出来る改善方法や修理方法があるのでしっかり理解してください。
水漏れトラブルの原因と修理方法
エアコン故障の中で最も多いトラブルが水漏れです。
水漏れは、機械が正常に動いて冷えているので起こるトラブルです。
エアコンの機械内部で発生した水を屋外へ排出するルートに問題があり漏れています。
その原因は、ゴミやホコリなどがつまっている可能性が高く、自分で改善出来ることもあります。
ドレンホースつまり

ドレンホースは、エアコンの室内機内部で発生した水を屋外へ排水するホースです。
冷房運転時は、風を冷やす熱交換器が結露して水が発生します。
その水を流すホースがドレンホースです。

ドレンホースの直径は14mmと細くなっています。
またエアコンの設置状況にもよりますが、3m~4mほどの長さで1本で設置されています。

家庭用エアコンで使われるドレンホースの内部はギザギザと蛇腹になっており汚れなどが付着しやすい形状になっています。
また、ポンプなどで排水せず、高いところから低いところに重力で流す単純な構造でエアコンとドレンホースは設置されています。
ドレンホースがつまる原因①【ホコリ】


ホコリがドレンホースにつまって水が流れなくなります。
ホコリは、エアコンを使わない期間と暖房運転の期間に室内機内部に溜まります。
その溜まったホコリが冷房運転で発生した水を含んで巨大化してつまります。
ドレンホースがつまる原因②【虫】

ドレンホースの出口(屋外側)から虫が侵入してドレンホース内部でつまることがあります。
これは、ゴキブリがつまっていることが多いです。
中間や室内機側でつまる場合もありますが、出口(屋外側)でつまっていることが多いので出口のチェックをしてみてください。
ドレンパンつまり


ドレンパンとは、室内機の熱交換器が結露して発生した水を受け止める皿のような役割の部品です。
熱交換の下に設置されていて、滴り落ちる水を受け止めます。
ドレンパンがドレンホースと繋がっていて屋外に流す構造になっています。
ドレンパンがつまる原因【ドレンスライム】


ドレンスライムとは、細菌が繁殖して発生するネバネバ、ドロドロしたものです。
キッチンの排水溝など水があるところに発生します。
水分を放置していると発生するので、エアコンを使い始めの時期に発生しやすいです。
冷房を使ったり、使わなかったりする時期に、ドレンパンに水が溜まった状態になりドレンスライムが発生します。
ドレンスライムが発生するとホコリを吸収して急に巨大化してドレンパンやドレンホースで詰まることになります。
ドレンホース外れ

エアコン室内機のドレンパンとドレンホースの接続部が外れて水漏れするしていることがあります。
完全な施工不良です。
ドレンホースを設置する際に少しではありますが張力がかかります。
接続部が不完全だと数年後に外れることがあります。
冷媒管の結露
冷媒管の結露は、基本的にエアコン取付方法で「左出し」の時に起こるトラブルです。
隠蔽配管での取付や三階建の3階への取付時に用いられる取付方法です。
エアコンの室内機と室外機を冷媒管という銅の管で繋いでドレンガスを循環させます。
通常取付方法(右出し)だと接続部が屋外になります。
しかし、左出しの場合は接続部がエアコン下部になります。
接続部は、銅管がむき出しになるので接続後に保温材をまかないと銅と空気が触れて結露します。
その保温材を巻いていない、もしくは巻き方に不良がある場合に結露して水漏れが発生します。


室内機の逆勾配

エアコンの室内機は取付時に水平に取り付けることをメーカーが推奨しています。
しかし、取付業者は、水が流れる方向に若干傾けて取り付けます。
右から排水する場合は、若干右側に傾けて取り付けることになります。
ほとんどの場合がエアコン設置から数年経過して水漏れします。
最初から逆勾配で取り付けられている場合はすぐに気づきます。
数年経過して水漏れが発生する原因を解説します。
室内機が逆勾配になる原因【取付不良】

エアコンの室内機を壁に固定するビスが緩んでエアコンが外れかけているからです。
ビスが緩んで前に傾いたり、排水側とは逆方向に傾いて排水出来ず室内に水漏れすることになります。
ビスが抜けて室内機が落ちてきたと何度も相談を受けています。
専門的にはなりますが、取付時にはアンカーという固定を補強するものを使って固定しないといけません。
水漏れしない状態かチェック【流水チェック】


エアコンのフィルターを外して強制的に水を流して漏れないか確認します。
大きなスポイドを使いますが、無い場合はペットボトルでもOKです。
逆流しないかを確認するので1L以上の水を流して確認してください。


冷えないトラブルの原因と修理方法
二番目に多いトラブルがエアコンが冷えなくなるトラブルです。
夏の暑い日に急に冷えなくなって困ります。
最近は、5月下旬から暑くなることもあり相談をいただく期間が5月~9月と長期化しています。
エアコンはフロンガス(冷媒ガス)によって冷やしたり暖めたりしています。
そのガスがなくなると冷えない、暖まらないというトラブルになります。
ここからはガスが無くなることについて詳しく説明していきます。
原因は、ガスが漏れて無くなっている
多くの人は、エアコンが冷えなくなるとガスが減っているので継ぎ足してくださいと問い合わせをいただきます。
しかし、漏れているのでまずは、漏れている箇所の修理をしてからガス補充をしないと完璧な修理になりません。
ガスが無くなった時の症状と判断方法
ガスが減ると使用中に症状が出ます。
まずは、これらの症状が出ていいないか確認してください。
- 日中の暑い時間に冷えず、朝夜は冷える
- 最高気温が高い日だけ冷えない
- 設定温度を低くしないと冷えない
これらはガスが減っているが残っている場合にでる症状です。
完全にガスが無くなると全く冷えなくなるので症状での判断は出来ません。
目視でガス漏れを確認する方法


写真のように室外機のバルブに白い霜が付いている場合は、100%ガス漏れです。
低温のガスが漏れて霜がついています。
ガス漏れ箇所の修理
ガス漏れ箇所には、修理出来る箇所と出来ない箇所があります。
修理が出来ない箇所からガスが漏れていた場合は、エアコン本体を交換するしかありません。
ここで修理出来る箇所とどこから漏れているか確認する方法をご紹介します。

エアコンを取り付ける際に「フレア」と呼ばれるジョイント方法で室内機と室外機を冷媒管で繋ぎます。
そのジョイント箇所からガスが漏れる確率が高いです。
人が施工をしているのでミスが起こって漏れる原因になります。
- フレアの形状が歪で漏れる
- フレアを強く締めすぎて潰れて漏れる
- 室外機を動かした際にフレアが変形して漏れる
- フレア作成時にゴミが付いていて漏れる
基本的には施工不良によって漏れることが多いです。
施工後の原因として室外機を移動させた際に変形して漏れることがあります。
接続箇所は銅で柔らかいので少しの力で変形します。
持ち上げるなどの軽作業でも接続部に不可をかけないように細心の注意を払ってください。
変形したフレア、ダメなフレア



ガス補充の方法と修理料金
ガス補充には専用工具、専用部材が必要になります。
揃える場合、10万以上かかるのでガス補充の作業は専門業者に依頼することになります。
ガス補充の作業には、大きく3つの作業が必要です。
ガス漏れ箇所の修理、ガス漏れしていないか確認、ガス補充の3つです。
それぞれ作業方法と作業料金を解説します。
ガス漏れ箇所の修理【フレア加工】


冷媒管(銅管)の先端をラッパ型に加工して接続します。
フレアツールを使って薄く伸ばすことになるので強度はありません。
少しの衝撃で曲がるので取扱に注意です。
ラッパの大きさ、断面が平らか、ゴミの付着が無いかなど注意事項があります。
しかし、ある程度慣れた作業員であれば問題なく施工することは出来ます。


フレアを接続する時にナットを受けから締め付けて固定します。
その締め付けの強さが重要になります。
その時にトルクレンチを使用して適正な力で締め付けます。
トルクレンチは正しいトルク(力)を保つために定期的な校正が必要です。
工具を正しく扱っている業者に依頼したいです。
フレア加工の料金・・・1箇所2000円~3000円程度
ガスが漏れないか確認【真空引き】

フレアを修理してガスが漏れない状態になったか事前に調べる方法が真空引きです。
エアコン内部の空気をポンプで吸って真空状態(空気が無い状態)になるか調べます。

ポンプで吸って真空状態の-0.1Mpaにします。
その後、蓋をして20分程度、-0.1Mpaをキープ出来るか確認します。
万が一、放置している間にゲージの針が動いたら空気が入り込んでいることなので漏れるということになります。
放置しても針が動かないまで作業します。
真空引きの料金・・・8000円~15000円程度
適正量のガスを補充する【ガスチャージ】

ガス補充の作業は簡単です。
ガスボンベ、マニホールド、チャージングスケールの3つの工具で施工可能です。
基本的には、ガスボンベのバルブを開放してガスを補充するだけです。

エアコンは機種ごとに適正なガス量が決まっています。
大きなエアコンになればガスの量も増えます。
室外機のラベルに記載している量を正確にいれる必要があります。
ガス充填(ガスチャージ)の料金・・・15000円~25000円程度
冷えているかのチェック方法

赤外線の温度計で、室内機の吹き出し口(熱交換器)周辺の温度を調べて冷えているか確認します。


ランプ点滅トラブルの原因と修理方法
ランプ点滅はエラーコードです。
何色のランプが何回点滅するかでエラー原因を確認することが出来ます。
しかし、原因をざっくり教えてくれる程度で解決方法を教えてくれる訳ではありません。
ランプの点灯方法などはメーカーによって異なります。
各メーカーサイトで点灯パターンが紹介されているのでメーカーホームページで確認してください。
自分で解決出来るエラー

フィルターの根詰まりエラーは自分で解決出来ます。
エアコンカバーを開けてフィルターが汚れている場合は清掃してください。
お掃除機能がついているエアコンの場合はダストボックスにゴミが溜まっている可能性があるのでダストボックス内のゴミを捨ててください。

機械故障のエラーが出ている場合は、一度、エアコン本体のリセットを試してみてください。
リセットと言ってもコンセントを抜き差ししてください。
意外と動き出すことがあります。
室外機のカバーに草やビニールが付いていないか確認してください。
夏場の場合、台風あとなどにゴミや草などがついている場合があります。
室外機が空気を取り込めずエラーになる場合があります。

動かないトラブルの原因と修理方法

エアコンが動かない時は本体故障の可能性が高いです。
まずは、室内機のランプも点灯しないか確認してください。
室内機のランプが点灯しない場合は、室内機の基盤故障の可能性が高いです。
ここでは、2つの軽度トラブルの確認方法を紹介します。
リモコン故障で動かない
稀にリモコン本体が故障して、ON/OFFなどの信号がエアコン本体にとどかず動かない場合があります。
まずは、リモコンの赤外線発信部をスマホのカメラで見て、ボタンを押すと赤くなるか確認してください。
赤くならない場合は赤外線の信号が飛んでいないのでリモコン故障です。

リモコン故障の場合は、ホームセンターで万能(汎用)リモコンを購入しましょう。
3000円~5000円程度で売っています。
様々なメーカーの相当昔の機種までカバーしている汎用リモコンになっています。
購入すると設定が必要でしが説明書をみると簡単に設定出来ます。
コンセントが通電しているか確認
稀にコンセントが使えなくなってエアコンが動かないことがあります。
コンセントが焼けていないか確認をしてください。
焼けていない場合は、ドライヤーなどを刺して家電が使えるか確認してください。
※200Vエアコンの場合は家電を刺すと壊れるので止めてください。

異音トラブルの原因と修理方法
異音トラブルは、どこから異音がなっているか確認しましょう。
室内機と室外機からの異音は修理出来ないことが多いです。
原因は、経年劣化で部品が古くなっている可能性が高いからです。
おそらく10年以上経過したエアコンが多いはずです。
ルーバーからの異音は修理可能

ルーバーから異音がなる場合は修理可能性です。
10年以内のエアコンであれば交換部品がメーカーにあるので安価で交換できます。
- ルーバーの付け根が破損して動く時に異音がする
- ルーバーを動かギヤードモーターが経年劣化で異音がする
暖まらないの原因と修理方法
意外と少ない冬場のエアコン問い合わせ。
その中でも暖まらないというトラブルは一定数あります。
実は、エアコンが冷えないトラブルと同じ原理で起こっているトラブルになります。
ガスが漏れて暖まらないなっているのでガス補充で修理可能です。
冬は夏ほどエアコンを使用する頻度が少なく、また暖房器具はいろいろあるので依頼件数が少ないのかもしれません。
しかし、ガス漏れで暖まらないエアコンは次の夏に冷えなくなります。
少しでも暖まる機能が低下していると感じたらエアコン修理会社に点検をしてもらうことをオススメします。

ランキング外のウインドエアコン(窓エアコン)

室外機と室内機が一体型になった窓用エアコン。
室内機と室外機に分かれた一般的なエアコンをセパレートタイプと呼びますが、このタイプに比べてパワーが弱いのがデメリットです。
しかし、設置環境を選ばず窓があればどこにでも取付が出来ることと、設置が簡単なことから一定数の需要があります。
原則、窓用エアコンは故障すると買い替えになります。
新しい場合は、メーカーへ相談してください。
エアコン故障の「まとめ」
最後に、エアコンが故障した時に、「誰に修理を依頼したらいいのか?」わからない人が多いと思います。
メーカー、電気工事会社、エアコン修理業者など様々な依頼先があります。
また、トラブルの内容によって使い分けると早く修理が出来ます。
故障箇所別に、どの業者に依頼したら良いかをまとめて記事を読んでください。

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