エアコンが冷えなくて原因を知りたい人に詳しく説明します。
私達はエアコンの修理業者です。
修理業者だけが知っているエアコン修理や原因についての情報をお伝えしますので最後まで読んでください。
簡易チェックで原因がガス漏れか確認

最初に簡易セルフチェックでガス漏れが原因で冷えなくなっているのかを確認しましょう。
エアコンが冷えない、冷えが弱いと感じている人は必ず確認してください。
簡易チェックですが、精度は90%以上です。
ガス漏れが原因で冷えなくなっているか10秒でチェックすることが出来ます。

まずは、室外機の場所を確認してください。
戸建の場合は、屋外かベランダにあります。
マンションなどの集合住宅は、ベランダか玄関の共用廊下にあります。
室外機を探したら、ファンが動いているか確認してください。
複数台の室外機がある場合は、全てのエアコンをつけて室外機が回っている状態にしてください。
全ての室外機が回っている場合は、冷えないエアコンの室外機も動いています。
1台だけ回らない室外機があれば、冷えないエアコンの室外機が止まっています。
原因:ガス漏れ
原因:90%機械故障、10%ガス漏れ
エアコンはフロンガスで冷やしている
エアコンがフロンガスで冷やしていることを説明します。
フロンガスは可燃性ではないので爆発や発火することは無いので安心してください。
フロンガスの種類が3つあります。
古いガスのエアコンを使っている場合は修理ではなく買い替えがオススメします。
古いガスは20年以上前のエアコンにしか使われていないからです。
ガス漏れ修理をしても数年でエアコン本体が故障して、修理費が無駄になる可能性があるからです。
持ち家のエアコン故障の場合は、交換をご検討ください。
フロンガスの種類
フロンガス | 使用開始 | 主な使用時期 | 現在の状況 |
---|---|---|---|
R22 | 1950年代~ | 1970~1990年代 | 2020年以降使用禁止 |
R410A | 1990年代後半~ | 2000円~2010年代 | R32ガスへ以降 |
R32 | 2012年頃~ | 2013年~現在 | 現在、主流のガス |
まず、R22のガスを使っているエアコンは交換してください。
20年以上前のエアコンになり、エアコン本体の機械故障の場合に修理が出来ません。
家庭用エアコンは、販売から10年で修理部品をメーカーから取り寄せ出来なくなります。
エアコン本体が正常でガス漏れでも修理をするより本体交換をオススメします。
数年後に機械故障でエアコン本体を交換することになるからです。
特殊なエアコンでどうしてもガス補充を希望する方は、ご相談ください。
事前にご相談いただければ、R22のガスを持って修理に伺います。
R410AとR32のエアコンは修理しましょう。
エアコンの修理業者は、両方のガスを持っていますので即日修理可能です。
ガスが漏れると冷えなくなる
エアコンだけではなく、冷蔵庫もフロンガスで冷やしています。
専門的になりますが、冷凍サイクルといってフロンガスを圧縮することでガス本体が超低温になります。
その超低温のガスがエアコンを循環して空気を冷やすという仕組みです。
フロンガスが無くなると冷えない原因になる
ガスが減るとエアコンを冷やすパワーが低下して冷えない原因になります。
新品購入時は、機械の適正量が最初から入っているのでパワーが強い(適正なパワー)です。
何らかの理由でガスが減っていくとエアコン本体のパワーが落ちます。
少し減った場合は、冷えが弱くなったり、効きが悪くなったりします。
完全に無くなると全く冷えなくなります。
使っても減らない、漏れているから減る
多くの方の大きな勘違いとして、フロンガスはエアコンを使用しても減ることはありません。
密封された機械の中でガスは循環しているので漏れない限り減ることはありません。
修理対応をしている私達に、「ガスが減ったので追加補充してください」とご相談があります。
しかし、ガスを追加補充するだけだと、また漏れて冷えなくなってしまいます。
冷えが弱い、効きが悪い時の原因はガス漏れ
冷房が弱い、効きが悪い時の原因は、フロンガスが20%~50%くらい漏れています。
漏れている量のよって症状も異なりますが代表的な症状を紹介します。
設定を最低気温にしないと冷えない
部屋とエアコンサイズが合っている想定ですが、一般的に冷房温度設定は28℃と言われています。
現実的には、26℃~28℃で設定している人が多いと思います。
20℃に設定しないと冷えないなどになっていませんか?
必要以上に温度を下げないと冷えない場合は、ガス漏れしている可能性が高いです。
日中だけ冷えが弱い、効きが弱い
朝と夕方からは冷えるが、日中は冷えないということはありませんか?
これもガス漏れによってパワーが低下している可能性が高いです。
温暖化で気温が上がっていますが、日中に20℃設定などにしている場合は、エアコンの問題です。
気温が高い日に冷えが弱い
気温が高い日に冷えない症状もあります。
30℃を超えると効かないと悩んでいませんか?
これもガス漏れの可能性が高いです。
全く冷えない、効かないは要点検
室外機が動いていて全く冷えない場合はガス漏れが原因です。
ガスが全て無くなっています。
空の状態で動いているのでエアコンが扇風機状態になっています。
室外機が動いていない場合は、エアコン本体の故障の可能性が高いです。
しかし、ガスの圧力が低下していることが原因で室外機が動かないことがあるので修理業者に点検を依頼しましょう。
ガス漏れを目視で確認する方法
目視でもガス漏れが原因かを確認する方法があります。
これからご紹介することを原因特定方法が該当した場合は、ガス補充修理を業者に依頼してください。
霜がついて白くなる


室外機と冷媒管の接続箇所が白くなっていませんか?
フロンガスが超低温になっているので漏れると白くなります。
もし、白くなっている場合は100%冷えない原因はガス漏れです。
漏れ出してから時間が経過と霜が消えていきます。


エアコンの室外機と冷媒管の接続箇所を確認するには、室外機横にあるカバーを外さないといけません。
ドライバーで簡単に外せますので自分で外してください。
オイル汚れ(油染み)

フロンガスには、冷凍機油という油が含まています。
ガスが漏れたあとには、油がついている場合があります。
霜が無くなって残ることになります。
エアコンを使っていないのに水漏れする

低温のガスが漏れると結露して水が発生します。
室内機内部でガスが漏れると水漏れが発生することがあります。
使っていないのに室内機から水漏れするようなことがあればガス漏れを疑ってください。
稀なケースにはなりますし、この修理は自分で出来ませんので業者に相談してください。
漏れる音がする
「シュー」と漏れる音がする場合があります。
ガス漏れの音になります。
被可燃性ガスではありますが、故意に火を近づけるなどはしてはいけません。
また、身体への悪影響もありませんが、大量に吸い込むことは良くないので換気をしましょう。
ガス漏れの修理方法
ガスは減るのではなく、漏れて無くなっていると理解してもらったと思います。
エアコンが冷えない原因がガス漏れだった場合の修理手順を紹介します。
- ガス漏れ原因箇所の特定
- ガス漏れ箇所の修理
- 修理後、ガスが漏れないかチェック
- ガス補充
ガス漏れ原因箇所の特定
ガス漏れの原因箇所の特定をしないと根本解決が出来ません。
作業員が目視と機械を使って特定します。
目視でガス漏れ原因箇所を特定する


目視で確認出来る箇所は、4個所です。
エアコン取付の際に、作業員が施工する接続箇所を目視で確認します。
- 霜が付いていないか
- 油が出ていないか
- 冷媒管に変形、折れなどの異常は無いか
接続箇所は、室外機側と室内機側があるので両方とも確認します。
室内機側は、スリムダクトや保護テープで隠れているので分解して確認します。


左出しというエアコンエアコン取付方法を採用している場合は、接続部がエアコン本体の下部になります。
ここの点検、チェックは業者でないと確認出来ないと思います。
機械、工具を使って漏れ原因を確認する

ガス漏れ検知器で確認します
ガスが循環するルートを検知器で調べます。
但し、漏れ原因の可能性は接続箇所が高くなります。
ガス漏れ箇所の修理
ガス漏れ原因の箇所が特定できたら修理して漏れなくします。
但し、修理出来る箇所は接続箇所の4個所のみです。
エアコン本体から漏れている場合の原因は、溶接箇所になるので修理が出来ません。
正しく説明すると、漏れている部品を交換して修理することは出来ますが、莫大な費用がかかるのでエアコン本体の交換になります。

本体からのガス漏れ原因は、主に熱交換器という部品になります。
熱交換器は、室内機と室外機にあり、どちらの交換もエアコン本体を交換できるくらいの費用になります。
フレアという接続方法


接続箇所は「フレア」というラッパ形状の接続方法です。
このフレアが変形しやすく漏れの原因になることが多いです。
- 室外機を移動、持ち上げたなどして変形する
- 上から締め付けるナットを強く締めすぎて変形した
- 最初から形が変なフレアでガスが漏れた
銅で出来た冷媒管を加工してフレアを作ります。
銅を薄く伸ばすので柔らかく変形しやすいのがデメリットです。
稀にエアコン取付に慣れていない、経験が浅い作業員が取り付けると、フレア作成が下手で漏れることがあります。
しかし、数日で冷えなくなるのですぐ気付けると思います。
修理後、ガスが漏れないか確認

接続部のフレアを修理して後に、ガス漏れ原因がフレアだったかの確認をします。
その確認方法は、「真空引き」と呼ばれる方法です。
写真の下部の緑がポンプになっていて、エアコン内部の空気を吸い出します。
真空引きはエアコン内部の空気を全て抜き真空状態にします。
その真空状態を20分程度キープ出来るとガスが漏れないことになります。
漏れない状態になったということは、漏れの原因は接続部のフレアだったということになります。
万が一、フレアを改善して真空状態をキープ出来ない場合は、漏れの原因が他にあるということになります。
その時は、別の原因を調べないといけませんが、エアコン本体からの漏れの場合は修理不可で交換になってしまいます。
ガス補充で適正量を入れる


フレア接続が原因で修理改善出来た場合は、フロンガスを適正量入れて終了になります。
入れる作業は簡単で、ガスボンベを開放するとOKです。
エアコンごとに適正量が決まっているので室外機のラベル記載の量を遵守して入れます。
ガス補充作業について詳しく書いた記事があります。
作業手順を詳しく知りたい人は読んでください。

ガス漏れ修理、ガス補充の料金相場
作業別に概算料金の相場をお伝えします。
エアコンの設置環境や修理業者によって異なるので目安として理解してください。
作業内容 | 目安料金 | 数量 |
---|---|---|
フレア加工 | 2,000円~3,000円 | 1箇所 |
真空引き | 5,000円~10,000円 | 1回 |
ガス補充 | 8,000円~15,000円 | 1回 |
フロンガス費用 | 1,000円~3,000円 | 100g |
業者へ修理依頼する時に注意すること
最も注意しないといけないことは、漏れた原因を修理してガス補充してくれるかです。
業界には、継ぎ足しと呼ばれる方法があり、漏れる原因を修理でずガスのみを補充する業者がいます。
もちろん、その時は冷えるように改善しますが漏れるとまた冷えなくなってしまします。
数日か数カ月後に冷えなくなる再発はこのパターンが最も多いです。
最悪なパターンは、夏の時期は冷えるが、半年後の暖房運転時にガスが全て漏れていて暖まらないことです。
修理した業者に連絡しても無料で再施工してくれないケースがあると聞いています。
絶対に修理依頼する時は、下記を確認してください。
- ガスが漏れが原因が何だったか
- ガスの漏れる原因をどういう方法で修理したか
- ガス漏れの再発が起こった場合は、施工保証がどのくらいあるか
施工保証に関しては、領収書などに記載されているかを確認するようにしましょう。
メーカー修理と修理業者を比較した記事を書いています。
どっちが早く修理できるか気になる人は読んでください。

エアコンが冷えない原因の「まとめ」
エアコンが冷えなくなる原因は、ガスが漏れているからです。
多くの場合、少しずつ漏れるので「冷えが弱い、効きが弱い」と感じたタイミングで点検してもらうことをオススメします。
真夏の暑い時期に冷えなくなって使えなくなると大変なので事前に確認してください。
冷えない原因がフロンガス不足の場合は、多くの業者が即日修理することが可能です。
メーカー修理を含む、早く訪問してくれる業者へ依頼すると良いと思います。
エアコンが冷えないトラブルについて詳しく書いた記事があるので一緒に読んでください。
修理業者からの視点で詳しく書いているので長いのでご注意ください。

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